岡山県赤磐市松木にある「詩人 永瀬清子の生家」は、明治39年に赤磐郡豊田村熊山に生まれた永瀬清子の生家をリノベーションしたカフェ兼ギャラリーです。
永瀬清子は、日本の詩壇において 女性詩人の先駆者 であり、モダニズム詩運動 にも貢献した人物です。また、農婦としての生活と詩作を両立させたユニークな生き方を貫き、自然や女性の視点を繊細に描いた詩を数多く残しました。90歳を超えても創作を続けたその情熱と精神は、多くの人に影響を与えています。
清家の1階部分には、ギャラリー兼清子を慕う人々が集い語らう交流の場「清子の家」や売店、カフェ「グレンデルの釜屋」があり、2階にもギャラリーがあります。
1階は開館時間中なら自由に見学可能、2階は有料となっています。
清子は、熊山では農婦としての姿だけを前面に出して生きてきたためか、周囲の人々にとってはあまりにも身近な存在であり、自治体ですらその偉業に気づくことがありませんでした。
そのため長い間、生家は手つかずのまま放置されていましたがリノベーションされ、2017年に生家の主屋と井戸の建屋が国の登録有形文化財として認定されました。
ギャラリーやカフェのほかにも、レンタル施設があり、シェアキッチンの他、会議室や五右衛門風呂などをレンタル利用することができますよ。
詩人 永瀬清子さんについて
永瀬清子さん(1906年 – 1995年)は、日本の詩人であり、特に「女性による自由詩の先駆者」 として知られています。
彼女の詩は、日本の近代詩において独自の地位を築き、多くの詩人や文学者に影響を与えました。以下に彼女の主な偉業をまとめます。
1. 日本の女性詩人の先駆者
永瀬清子は、大正から昭和にかけて活躍し、日本の女性詩人として新しい表現を切り開きました。彼女の詩は、自然、農業、女性の生き方、生命の営み などをテーマにし、独自の視点から世界を描きました。
2. 日本のモダニズム詩運動に貢献
彼女は、モダニズム詩運動(新しい表現手法を模索した詩の流れ)の中で独自のスタイルを確立し、西欧の詩的手法を取り入れながらも、日本的な感性を大切にした詩 を創作しました。
3. 農婦としての生活と詩作の両立
生涯の多くを岡山県熊山で農婦として過ごしながら詩作を続けました。農作業をしながら詩を書く という独特な生き方を貫き、農村の現実や自然の美しさ、生命の力強さを詩に表現しました。
代表作 「麦藁帽子」 では、農村での生活の中に詩の可能性を見出す視点が示されています。
4. 多くの詩集を発表し、詩壇で高く評価された
彼女は数多くの詩集を発表し、日本の詩壇で高い評価を得ました。以下に主な詩集をあげます。
- 『グレンデルの母親』:1930年11月
- 『諸国の天女』:1940年8月
- 『永瀬清子詩集』:1969年5月
- 『続永瀬清子詩集』:1982年8月
- 『あけがたにくる人よ』:1987年6月
- 『春になればうぐいすと同じに』:1995年4月
5. 90歳を超えても詩作を続けた
彼女は90歳を超えてもなお創作を続け、日本の詩壇の最前線で活躍 しました。晩年には文化功労者として表彰されるなど、その業績が広く認められました。
6. 校歌の作詞
岡山県内の小学校・中学校・高校の校歌を多数作詞 しており、地元岡山での文化的な貢献も大きいです。
詩人 永瀬清子の生家のおすすめポイント
- 母屋にある隠し部屋は現在、貸し会議室として利用できます。
- 永瀬清子の詩集や関連本、ここでしか買えない商品などが売られています。
- 準備するところから始める五衛門風呂体験も出来ます。
- 2017年に生家の主屋と井戸の建屋が国の登録有形文化財として認定されました。
- 解体されていく蔵の映像に、アニメーションや清子と親交のあった方々のインタビューを組み合わせた映像作品 「きよこのくら」 も制作されました。
詩人 永瀬清子の生家のレビュー・口コミ
さらに奥には、大きな机が置かれた部屋もありました。中庭の手前には、歴史を感じる畳の広い和室があります。
時折、「清子さんを慕う会」が開かれ、和菓子の販売やコーラスの催しがあります。
また、その会では、清子さんが作詞した詩をもとに、磐梨中学校の芸術部の生徒たちが制作した作品が展示されていました。美しい色合いの素敵な作品が並び、白黒の作品もありました。
訪れた人が花のスタンプを押していくことで、満開の梅の木を完成させるというものがあり、とても美しい光景でした。
永瀬清子の生家が岡山にあるというので行ってみたのです。映像で肉声が聞けた。自作の朗読もグッときたし、何より話している言葉が韻文調というか胸に迫ってきた。 pic.twitter.com/nm5VEGAbtV
— ganaganaa (@ganaganaa) June 13, 2023
この生家と井戸は、国の有形文化財として登録されているそうで、保存会の方々が大切に管理されている様子が伝わってきました。清子さんの思いが、これからも引き継がれていくことを願っています。
新春ブックマルシェ、本日最終日でした。
たくさんのお運びをありがとうございました。
「またやりたいねー」と声が聞こえています。
次回もお楽しみに。再来週はいよいよ
「紅梅忌」「永瀬清子現代詩賞表彰式」です。
ただいま準備追い込み中!
ギャラリー八十八草もガラリと展示替えです。 pic.twitter.com/GFMYo63APE— 〜清子の家〜 永瀬清子生家保存会 (@kiyokonagase) February 2, 2025
生家の修復は完了したようですが、土蔵は修復が叶わず、取り壊しとなってしまいました。今になって思うと、とても残念です。もっと郷土について知っておけばよかったと、改めて感じています。
詩人 永瀬清子の生家の詳細情報
施設名 | 詩人 永瀬清子の生家(しじん ながせきよこのせいか) |
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所在地 | 岡山県赤磐市松木691 |
交通アクセス | 瀬戸ICより車で約11分 月~土はJR熊山駅から赤磐市民バスが運行 新田橋バス停から徒歩5分、熊山診療所バス停から徒歩7~8分 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 10:00~16:00 CaFé グレンデルの釜屋 10:00~15:30(ラストオーダー) |
休業日 | 水曜日・木曜日(8月・年末年始) |
利用料金 | 無料 母屋二階ギャラリーは入場料500円 |
問合せ先 | 070-3783-0217 |
公式サイト | 詩人 永瀬清子の生家公式ホームページ 詩人 永瀬清子の生家公式X |
備考 |
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赤磐市には「詩人 永瀬清子の生家」の他にも見どころが沢山あります。ぜひ足を運んでみてくださいね。
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