岡山市渋染一揆資料館|身分差別に立ち上がった渋染一揆について学ぶ場【岡山市中区】

岡山市渋染一揆資料館 城・史跡・遺跡
岡山市渋染一揆資料館
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岡山市中区神下(こうした)にある「岡山市渋染一揆資料館(しぶぞめいっきしりょうかん)」では、江戸時代に岡山藩で起こった”渋染一揆”に関する資料を展示しています。見学には予約が必要です。

岡山市渋染一揆資料館入口

渋染一揆とは、江戸時代の終わり頃、その地で身分差別を受けていた人々が差別強化政策に対抗して立ち上がった一揆です。

岡山市渋染一揆資料館の展示

一揆についての詳細を知ることができるのはもちろん、人権教育関係の勉強としても訪れる価値のある施設です。
資料館のすぐ隣には、渋染一揆跡の碑があります。

岡山市渋染一揆資料館の石碑

岡山市渋染一揆資料館のおすすめポイント

  • 見学ツアーを開催しています。一人から予約可能です。
  • 見学料は無料です。
  • 渋染一揆や人権教育に関連する学習に適しています。

渋染一揆について

岡山市渋染一揆資料館

江戸時代末期、岡山藩は出費の増加などにより、大坂商人からの借金が増えていました。さらに、自然災害や凶作により年貢の未納が増加し、黒船の来航に伴う警備費用や兵制改革にも出費がかさんで、藩の財政は危機的な状況にありました。1855年(安政2年)、岡山藩はこの財政危機を克服するために、29ヵ条の「御倹約御触書」を発表しました。

この「御触書」の最後の5ヵ条は被差別部落の人々を対象としており、不当な差別を強いる内容でした。被差別部落の人々は何度も寄合を開いて歎願書をまとめ、藩に提出しましたが、藩は期待に反して歎願書を受け入れませんでした。その後、役人の圧力に屈し、歎願書に請印する村々も現れました。

しかし、望みを断たれた被差別部落の人々は、岡山藩の筆頭家老である伊木若狭守忠澄に強訴することを決意しました。1856年(安政3年)6月、数百人の一揆勢が虫明に対して武力を持たずに陳情しました。軍勢も構え、互いに対峙しました。2夜にわたる交渉の末、一揆勢は歎願書の提出に成功しました。以後、被差別部落の人々は渋染りや藍染めの着物を強制されることはなくなりました。暴力を用いず、御触書を空文化することに成功したのです。

この行動は法に触れたものであり、藩の取り調べの結果、12人が投獄され、そのうち6人が獄死しました。残りの6人は牢内外で部落の人々との歎願運動や協力者の支援により、2年後に釈放されました。

この闘いは封建制度の時代において、人間の尊厳を守り抜くすばらしい行動として評価されています。

岡山市渋染一揆資料館の様子・口コミ

この渋染一揆は、関係者自身によって文書が作成され、口承によって伝えられてきました。岡山藩(岡山県)では、この一揆を通じて連帯感が広がり、差別に立ち向かう意識が高まったとされています。
この資料館の近くには、渋染一揆の記念碑が建っています。

渋染一揆や人権教育に関連する学習に非常に適しています。見学には予約が必要です。
また、バリアフリーに対応していないので、車椅子の方が同伴される場合には、2階に上るのには男性4人が必要となりそうです。

岡山市渋染一揆資料館の詳細情報

施設詳細情報
施設名 岡山市渋染一揆資料館(読み方:しぶぞめいっきしりょうかん)
所在地 〒703-8225 岡山県岡山市中区神下378-3
交通アクセス 山陽自動車道岡山ICから約40分、山陽ICから約30分
瀬戸中央自動車道早島ICから約40分
JR東岡山駅から徒歩約20分
駐車場 普通車10台(岡山市人権啓発センター横駐車場)
営業時間 10:30~12:00、13:00~17:00
見学は原則として3コマ制で、時間帯は以下のとおりです。
[1]10:30~12:00、[2]13:00~14:30、[3]15:00~16:30
1コマにつき、1団体。
休業日 日曜日、祝日、第2・4土曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
※第2・4土曜日の翌日の日曜日は開館、その他休みについて要問い合わせ
利用料金 無料
問合せ先 086-803-1070 (岡山市市民協働局人権推進課)
公式サイト 岡山市公式サイト
備考 ・見学希望日の3日前(土日祝を除く)までに電話で予約後、FAXまたはメールで指定様式の申込書を送付
・見学所要時間約1時間30分

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